オタクを引退しようと思った理由

私はオタクと呼ばれる人種だった。
小中高をアニメに捧げた青春で、大人になってからも当たり前のようにオタクを続けるものだと思っていた。
簡単に辞められるくらいならオタクではない、オタクというのは一種の生き方だから、自分はオタクではなかったのか分からない。
自分がオタクを辞めた理由は、長年愛していた作品のスタッフに裏切られたからだ。
いや、自分が勝手に裏切られたと思っているだけだ。
とある作品とシナリオが似通っている疑惑が立ち、お問い合わせをしたが、何も帰ってこない。
何の釈明もないまま沈黙を保っていれば風化するだろうと思っているようだった。
長年愛していたファンとしては、その真偽がどうであれ、説明をしてほしかった。
他のハマっていた作品にも相次いで問題や粗が見つかり、もう駄目だと思ってしまった。
オタクでいることで楽しいことよりも苦痛な事が多かった。
オタクの喜ぶものをただ作っていれば説明責任は果たさなくていいのか。
私は違うと思う。
疑惑を晴らして欲しいという願いは封殺された。
きっとこのまま何事もなかったかのようにやり過ごすのだろう。
だから自分はアンチになる前にオタクを辞める。
オタクを辞めたからといって何者にもなれないが、今は距離を置きたい。